アルカリ電解水とは？その効果と用途、安全性まで徹底解説

アルカリ電解水とは、水（H₂O）に微量の電解質（たとえば塩化ナトリウムや炭酸カリウムなど）を加えて電気分解し、pHが11〜13程度の強アルカリ性に調整された水溶液のことです。

アルカリ電解水は界面活性剤や化学薬品を含まず、純粋にpHの高さによる作用で汚れを落とすため、「電解アルカリ水」「電解水クリーナー」などとも呼ばれています。

アルカリ電解水が汚れを落とす主なメカニズムは、以下の3つです。

油脂の乳化作用
アルカリ性の水は油を分解し、乳化して水と混ざりやすくします。これにより、油汚れを浮かせて簡単に拭き取れるようになります。

タンパク質の分解
タンパク質はアルカリに触れると変性し、汚れとして浮き上がります。キッチン周りの食べ物汚れなどにも有効です。

静電気による再付着防止
高いpHの液体は汚れを引き離すだけでなく、再び付着しにくくする性質もあります。

アルカリ電解水は、家庭から業務用まで幅広く使われています。以下は主な用途です。

■家庭での使用例

・キッチンの油汚れ掃除：換気扇、コンロ周り、電子レンジなど

・冷蔵庫・電子機器の清掃：無臭かつ界面活性剤不使用なので安全

・フローリングや家具の拭き掃除：二度拭き不要で手軽

・ペット用品の除菌・消臭：動物にもやさしい成分で安心

■業務用での使用例

・飲食店の厨房掃除

・病院や介護施設の衛生管理

・ホテルの客室クリーニング

・工場の油機械のメンテナンス

アルカリ電解水は洗剤のような化学物質を含まないため、皮膚刺激や臭いが少なく、環境にも優しいとされています。ただし、pHが高い場合は皮膚の脱脂作用が強く、長時間触れると手荒れを起こす可能性があります。

使用時には以下の点に注意しましょう。

・手袋の着用を推奨

・目に入らないようにする

・子どもの手の届かないところに保管

また、飲用はできませんので、食品に直接かかる場合は食用対応品を選ぶ必要があります。

■メリット

・環境にやさしい（界面活性剤不使用）

・高い洗浄力（油・タンパク汚れに強い）

・無臭で使いやすい

二度拭き不要で作業効率が良い

除菌・消臭効果が期待できる（高pHが菌にダメージを与える）

■デメリット

・強アルカリ性で肌荒れの可能性

・素材によっては傷むことも（アルミ、銅、木材など）

・落ちない汚れもある（水垢、カルシウム系の汚れには効果が薄い）

・保存安定性にやや難がある（pHが徐々に低下する）

アルカリ電解水は、水と電気だけで作られる環境にやさしいクリーナーとして、現代のニーズに非常にマッチしています。油汚れや雑菌への対応力が高く、家庭から業務用まで幅広い場面で活用できます。

安全性も比較的高く、化学薬品を使いたくない人にとっては理想的な選択肢と言えるでしょう。

ただし、万能ではないため、使いどころや素材への影響には注意が必要です。適切な場面で使えば、掃除をもっと快適で効率的にしてくれる心強いツールとなるでしょう。